現役保育士が考える保育園選びの話。

 

結構周りの友達が最近子ども産んだり

そろそろ保育園に預けたいな〜ってぼやいたりしてるんだけど、でもみんな待機児童問題がひどい中保育園入れられるだけで丸儲け、みたいな考えなのか、あんまりどこの保育園に入れるか深く考えてなさそうなのを会話から感じた。

 

保育園選びってその人が何を大事にしたいかや子どもにどんな環境で育って欲しいかの願いによるので、保育現場で働いているわたしが仮に我が子を預けるとしたら何を基準に選ぶか、を軸に書いていこうと思う。

 

まず今のご時世早期教育に特化してたり、自由保育だったり、いろんなキャラの園があるけど、わたしが入れたいと思うのは

 

・遊びから学ぶ を大切にしてる園

・子どもを対等な人間として関わっている園

・保育園での6年間は小学校に入れるためではなく、その子が自分の人生を自分の足で歩いていけるための時間だと捉えている園

 

ざっくりと。

 

じゃあ仮に我が子を預けるための園見学に行ったとき具体的にどんな点を見るか。

 

① おもちゃが子どもの手の届くところにあるか

これ超大事。

おもちゃがいつでも子どもの手の届くところにあって自由に遊べる環境だったら、子どもが

 

あれやりたい

あれきになる 

あれさわってみたい 

 

って思ったときに大人の許可なく出来る。

 

でも意外と多いんだけど、

おもちゃが大人の背の高さの棚に収納されてたり、子どもが自由にとって遊べなさそうな配置されてたりすると、結局日中は大人の都合で

 

今日は電車ね〜

 

って子どものいまの興味関心を無視して電車のおもちゃだけ与えられたり、

 

はいあそびなさ〜い

 

ってまるで動物のエサみたいにおもちゃ箱ガッサーっとひっくり返して遊ばせたりしている可能性もある。

 

そしてもう1つ。

手の届くところに置いてあるかどうかの差は、新しいおもちゃを取り入れてるかどうかの差にも繋がると思う。

 

それは別に新品を買い足してるかの話ではない。

子どもたちはもちろん成長発達してさの中で興味や育ちたいことも日々変化していくわけで、その中でいつでも手の届くところにおもちゃがある環境の場合、子どもが成長発達したら既存のおもちゃには手を伸ばさなくなることもある。成長したから今までのおもちゃじゃつまらいし。

となると保育者はそこからも子どもの育ちを感じたりして

 

じゃあどんなおもちゃだったら楽しめるかな?

 

と子どもの興味関心を軸におもちゃを考えたり取り入れたりする。

でも大人の都合でおもちゃガッシャーのときはどうなのだろう、、と思う。

(個人的にそういうところで働きたくないのでおもちゃの入れ替えが実際どうなのかはわからないけれど)

 

おもちゃが届くかどうか、かなり大事。

 

②食事が一斉かどうか

これは特に乳児に感じてだが、幼ければ幼いほど一人ひとりの生活リズムが異なるし食事の内容も異なる。手づかみの子もいればスプーンの子もいるし、もっというと手づかみも手のひらでご飯鷲掴みにして食べるのか数本の指で食材をつまんで食べるのか、口の中に指も入れて食べるのか食材だけを口の中に入れ込むことが出来るのかなど、細かく発達が違うし丁寧に1つ1つの段階を踏んでいくことで結果的にスプーンを上手に持って食べたり、満腹中枢が育ってごちそうさまが自分から言えたりする。

 

そのときにひとクラス10人なら10人が毎日同じ時間に全員座っていただきますからごちそうさままでしてたら、なかなかそこを丁寧に見ることは難しいかもしれない。(中には丁寧にみてくれる保育士もいると思うが)

 

それに大人数が一斉にだと、子どもの些細な発見や気づきに反応できる確率もぐっとさがると思う。

食事の時間だって大事な保育の時間で、食事も遊びも子どもの興味関心や成長発達は繋がっている。だから食事の時間も子どもの気づきや言葉に丁寧に反応したいし、食べさせるだけじゃなくてそこも大事な保育としていきたいと思うと、大人数は大変そうだ。

 

だから特に0、1歳クラスは少人数で、ゆっくり一人ひとりの段階に応じながら食事を進められる保育環境の園がいいなと思う。

それに少人数で生活リズムに合わせて時差をつけて食べている園は、きっと少人数で食べることの大切さをきちんとわかっていそうだし。

 

③保育士の子どもへの声かけはどうか

これはどの親も気にしてるかもしれないけど、きっとわたしは園を案内してくれる園長や主任の話は右から左で、保育士の声かけばかり聞きまくってると思う。それも存在感を消して。

 

特に子どもが何かしたときの保育者の第一声はかなり意識する。

 

たとえば、子どもが高いところに登ったとして

もぉ〜!〇〇くん!怒

って言う人は、あぁ行動だけ見て声かけてるのかなって思うかもしれない

 

でも

うわ!登ったのか!驚 

とか

何が見えた?

とか

音が聞こえるから登ったのかな?

とか

行動だけを見て否定から入るんじゃなくて、まずその子のしたことを受け止めたり、どうして登ったのかその子の心を見ようとしたり、そういう姿を感じるような声かけをしてる人がいたら、素敵だな〜と思うし、わたしも改めて見習おう、って思う。

 

なんでも我が子のすることを許せと言ってるんではない。

この声かけのあとに、

でもここは机だからね〜登りたいならこっちにしようか。

と言ってもらって全然構わない。

 

ただ子どもの行動を見てるのか、心を見てるのかは、わりと保育者の声かけの端々から伝わってくると思う。

 

④ノートや保育者の話ぶりはどうか

これは③の続きとも言えるが、もしお母さんに時間や経済的な余裕があって、気になる園に外部の子どもが遊んでいい子育て支援センターや一時保育がくっついていたら、そこに預けて園の様子を探るのもありだと思う。

 

一時保育だと今日の出来事や我が子がどう過ごしたかノートに書いて教えてくれるところもある。そのときに仮に、

 

今日はお外で遊びました。

あったかい日差しの中のんびりと土を触ったり日向ぼっこしたりして過ごしました。

〇〇ちゃんもとっても気持ち良さそうでした。

 

って書いてあったら、

こいつちゃんと見てたのか?うちのの子じゃなくても誰にでも当てはまるやろこんなの。

 

と思って行くのやめそう。

でも、

 

今日はお外で遊びました。

〇〇ちゃんは最初は知らない場所に不安そうだったけれど、抱っこしていると段々と周りの遊んでる子の様子を目で追うようになってきて、砂場のところにおろしてみたら、そぉっと土を触っていました。そこから少しずつ緊張もほぐれてきたのか、室内に入る頃には日差しが心地良いのか気持ち良さそうな表情を見せてくれました。

 

と書かれていたら、ちゃんと子どもの目線とか表情ひとつひとつ捉えてくれたんだなって嬉しくなるし、また預けたいなって思う。

 

これはノートに限らず直接話す時も同様。

一時保育でも支援センターでも、保育園に預ける、または親子で遊ぶということは、現場の保育者と話せるのだから、そのときそこの園の保育者はどんな言葉を使ってどんな表現で話をしてくれるのか、保育者の表情をみることも大事だと思う。

 

まあ親がいる前と後では異なるかもしれないけれど、だからこそなるべく保育者の素の表情や声かけ、関わりをを見たり聞いたりしたいと思う。

 

見学の時間帯は午前中10〜12時とか15〜17時とか、子どもが活発に動いている時間がいいと思う。食事の様子も見られたら尚感じるものがあるかもしれない。

12〜15時などの午睡中に行ってしまうのは勿体無い。

 

簡単に思いつくことを書いたから

また追加で沸いてきたら書き足そうかな。

 

待機児童問題はなかなか拭えないかもしれないけれど、保育園で過ごす0〜6歳ってその子の人生に大きく影響するくらいとてつもなく大事な時期だから、とにかくどこでもいい!じゃ勿体なくて、選ぶ側にもジャッジする権利があることを感じてほしい。

そして、その子がありのままを受け止めてもらえて、その子らしく子ども時代を過ごせる園にに巡り会えたらいいな、と思う。